Kへ

長いメールをありがとう。

最近、自分の中でテーマになっているのは民主主義について。
先日出席したある会議で反日デモの話題になり、一人が「中国は民主主義がないからねー」という様なことを口にしたので、「日本の民主主義は、他国の民主主義レベルについて評価出来るほどの到達にあると思うのか?」と思わず聞いてしまった。


民主主義ってなんだ?どうしたら成立するんだ?どうやったら育て広げていけるんだ?民主主義の発展なしに社会の変革はあり得るのか?


随分と前になるが、国会議員を呼んでのトーク集会で、日本と海外の人間関係の違いについての質問が青年からあった。「人間関係が上手く作れない。海外と日本では人間関係の作り方に違いがあるか?アドバイスを」という様な質問。
それに対して議員は「日本と比べると、主にヨーロッパなどでは『私とあなたの意見が違うとしても、あなたのことを、意見が違うからという理由で弾圧するような人がいたら、私はあなたのことを全力で守る(一緒にたたかう)』という様な価値観が根付いているのではないか」という様な返答をしていた。
この回答は自分の中で不可解だった問題に一定の考えていく道筋を与えてくれた。


それは、「あらゆる意見を許す」という事ではなく、意見の違いによって排除や差別、弾圧を許さないということだ。その前提がなければ人は自由に意見を持つことが出来なくなる。ナチスファシズムの教訓からか、もっと以前の歴史によって形成されたのかは不勉強なおいらにはよく分からない。


コミュニケーションのあり方として、おいらが最も刺激を受けるケースというのは、同じ様な考え方の人間同士が集まることではなく、意見が違うにも関わらず説得力と魅力のある意見に出会えることである。そうした場が、自分の価値観、知識を発展させ、広がりを持たせてくれる。それは、大きな集団で行えば行う程、大きな作用をおよぼすのではないか。


民主主義の底力はそうした所にあるのかもと思った。


あなたのメールには「自分の頭で考えることが必要」とあったが、もしかしたら、この国ではそれが個人に求められる事が少ないのかもしれない。「私の意見はこうだ。あなたの意見を聞かせてくれ(私には想像もつかないような面白い意見を出してくれよ、うずうず)」というケースよりも、「同じ様な考えの人いない?一緒に群れようぜい」的な状況が支配しているのかも知れない。これは世代的な問題も多少はあるだろうけれど、根本的にはこの国の歴史(経験)に関係しているように感じている。


魅力的な人間集団、より力を発揮する集団。どうしたら出来るんでしょうね。


時間が来てしまったので本日はここらへんで。