人の癖というものは、その癖を持っていない人には大変に面白い。

先日は夕方からフジロッカーズ*1の会合。会場は歌舞伎町の上海家庭料理屋「上海小吃(シャンハイシャオツー)」。映画「不夜城」に出てきそうな歌舞伎町の裏通りにあるこの店に8人が集結。

で、美味い。とにかく美味い。一皿1000円というのは我々には決して安くはないが、存分に満足させてくれた。中国人らしく荒っぽい対応ながら温かみ溢れる女店主にも好感。次々と運ばれる料理に舌鼓を打ちつつ宴は盛り上がった。仕事を終え新たに到着するメンバーを迎える度に乾杯を繰り返し、全員が揃ったところでメインの火鍋。初めて食べたのだけれど、これも本当に美味しい。本格的な上海家庭料理というのを初めて食べたが、広東や四川と比べるとあっさりとしていて日本人向きな印象。パクチーをふんだんに使うことも初めて知った。

FRFに持って行くテントの数や車の乗り分けなどを相談したのはほんの数分。あとは恒例のバカ騒ぎ。話はあっちに飛び、こっちに飛び。

そうした中、S*2がおいらのほっぺたを触る癖がウザイと指摘。おいらは「ただ触っているのではない。伸びてきた髭を抜いているのだ。一人の時は抜いた髭を爪の表面に立てるが、なにか?」と対抗。おいらは成人男性の少なくない人が持っている癖だと主張。おいらはかつての職場の上司が仕事中にT字クリップで髭を抜いているのを見つけて、「なるほどそうやって抜くのか」と関心した後にこの癖がヒートアップした。

そうこう話しているうちに今度は別のメンバーがmiyaMotoの手はなんで黒いの?と質問。おいらはもともと地黒だが、生まれつき指の第一関節が一番黒い。「ホントだー、黒いねー」とみんなが驚く。しかし、その時ふと気付いたのだが、このことを発見するのは大抵女性である。「女性というは男性の手を観察するものか?」と聞くと何人かの女性が好みの手があるという。自然ともう一人の男性N*3の手に話題が移ると異常に爪が短いことが発覚。Nは「俺は爪切り使わないから。全部噛むから」と衝撃的発言。とても噛んで整えたようには見えないほどに綺麗にカットされた爪が、彼の爪噛み作業の熟練度を物語る。

すると、女性メンバーのY*4が澄んだ瞳で「ねえ、男の人ってお風呂でおしっこするの?」とこれまた衝撃的な質問。正直、背中に冷たいものが走った。おいらは子どもの頃からお風呂に入ると(湯船の中ではないよ)おしっこをする癖がある。自然としたくなるのだ。まずい癖だと思い、大きくなるにつれ辞めなければと思いつつも、ついしてしまう。返答に困っているとNがあっさりと「するね」と。女性陣からも2名が「したくなったらする」と。Yは「職場で二人の男性と話していて二人ともするって言ってたからさ」と。

そ、そうだったのかー!おいらだけではなかったのかー!
以前、おいらが風呂に入っていると後から入ってきたかみさんに「なんかおしっこ臭くない?」と言われ、動揺しながら否定したけど、この場を借りてカミングアウトします。ごめんなさい、していました。ほとんど毎日しています。この癖を今後どうするかは話し合いましょう。お嫌でしたら辞める努力をしますので。

「シャワーを浴びたり手を洗ったり、水分に触れるとおしっこってしたくなるみたいよ」とのうんちく得て、ほんのりと安心感。なんだ、仕方のない事だったのね。その後、活字を見るとうんこをしたくなるだの、せっぱ詰まった顔をして走ってきたOLが突然スカートをたくし上げバス停の前でうんこをしたのを見た知り合いがいるだの、どうしても我慢出来なかったらどうするなど、およそ美味しい料理を前にはふさわしくない話に。

やがて、ほとんど飲めないおいらに、「てめえ飲め、酔っぱらえ」との大合唱。なんだか随分飲みやすいお酒を勧められ飲んでいるうちに、すっかり酔っぱらった。家まで帰る気力を無くしたおいらと、とことん酒好き3人でバッティングセンター→カラオケBOXの朝までコース。具合が悪くなったおいらは2曲歌って寝ていたが、他の3人はラスト(5時)まで歌いまくり。そのあと、おいらは山手線を2周半して出勤。

*1:船橋在住のロック好き姉妹を中心としたフジロックフェスティバル(FRF)を愛するコミュニティ。7月最後の週末に苗場に行くことを至上の歓びと自覚し、「死ぬまでロック!」を信条とした20〜30代(じき40代突入…)の男女が集っている。メンバーの自由奔放な生き方と、楽しむということにどこまでも貪欲な姿勢は、はっきり言って日本社会の希望である。三番瀬でのバーベキューなど年間活動も充実。

*2:高校時代から付き合いで心おきなく殴り合える逞しい友人。おいらをフジロッカーズに紹介してくれた恩人

*3:フジロックの設営などにも参加したことのある色気たっぷりの兄貴

*4:姉妹の妹。ひょうひょうとしているが実は情の深い人。もの凄い飲み方とナチュラルな雰囲気に隠れファン多し