世界はどこへ向かっているのか

 昨夜、ベッドには入ったが眠れず、5時前に起き出してネットをしたりTVを観ていたりした。早朝のTVは30分位のサイクルでくり返しニュースをやっている(いつもは寝ていて起きたら5分で家を出ちゃうからTVなんぞ観ない)。国際関係のニュースが豊かで、フランスでのCPE撤回、イタリア総選挙での政権交代、米国での不法移民規制強化に反対するデモのニュースがくり返し流された。各国の一人ひとりの人間が連帯という思想を武器に、まるで一匹の大きな生き物のようになって、強大な相手を飲み込んでいく。

 今後、こうした現象は世界中で巻き起こるだろう。当たり前だ。なぜ黙っている必要がある。日本ではジニ係数が跳ね上がり、いまや四分の一の富者が四分の三の富を得て、四分の三の者たちはお互いを蹴落としながら四分の一の富を奪い合う。が、すぐに気付く。取り過ぎてるのが誰なのかを。その不平等がなぜ起きているのかを。誰がそれを作り出したのかを。

若者解雇策を撤回 青年・労働者「運動の勝利」
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik4/2006-04-11/2006041101_02_0.html


伊総選挙 中道左派が優勢 出口調査 5年ぶり政権交代
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik4/2006-04-11/2006041107_01_0.html


米デモ100万人規模に 移民規制抗議、65都市で
http://www.tokyo-np.co.jp/00/kok/20060411/eve_____kok_____003.shtml


 フジTVでは反CPEの行動に対してアナウンサーが「暴動」という単語をくり返し使っていた。また現地のキャスターは「改革がすすまず、産業界に大きな負担となる」的なコメントをしていた。使われる映像は勿論、警官隊に投石したりする一部の暴徒集団がほとんどで、200万人とも300万人とも言われている行動の全体像はまったく伝わってこない。
 あのアナウンサーはもしかしたら、デモと暴動の区別などつかないのかもしれない。我々が持っている労働時間や有給休暇や福祉についての権利というものが、長年にわたる労働者たちの闘いによる成果であることなど知らないのであろう。当然だ。この国ではそうしたことをアナウンスするメディアは殆どない。


仏・ドビルパン首相、学生や労組が猛反発していた新しい雇用政策の撤回を発表(動画)
http://www.fnn-news.com/realvideo/wu2006041104_G2.ram


 昨夜、AALA(http://www2u.biglobe.ne.jp/~jaala/)の主催するベネズエラからのゲストによる講演会に行ってきた。国民参加の改革が政治でも経済でもドラマティックに進んでいる事が生々しく伝えられた。
 個人的に最も驚いたのは会場からの質問に対するやりとり。「ボリバル革命での女性の地位向上、男女同権の問題はどうなっているのですか?」という質問に対して「これまで女性は政治に参加してこなかった。南米ですからマチズムも根強い。しかし、この改革の中心的役割を担っているのは女性たちです。チャベス政権のもと女性相がつくられ、男女同一賃金は勿論、主婦の家事労働も立派な生産活動だとして政府として賃金を支払う事を決めました」と。(えええええ?ねえ、聞きました奥さん。ベネズエラじゃ主婦も給料貰えるようよ。そりゃそうよねー、“お前らのために働いてやってる”ってな偉そうなうちのダンナなんて、掃除、洗濯、育児なんてやらせたらきっと3日で音をあげるわよ)


ボリーバル運動: チャベスの挑戦
http://www10.plala.or.jp/shosuzki/edit/otherla/bolivariano.htm


 さて、フランスやイタリアのニュースに埋もれてあまり大きく取りあげられていないが、ペルーの大統領選挙では、新自由主義モデルの経済から国民本位の経済路線への転換を掲げた左派ウマラ候補がトップに躍り出た。中道左派のガルシア氏との決戦投票にもつれこんだ場合、ウマラ氏が優勢だという。南米はもはや「合衆国の裏庭」でないばかりか、「新自由主義NO」のスローガンのもと革新・左派の大波となって米国へ打ち寄せている。

ペルー大統領選 ウマラ氏がトップ 新自由主義批判に支持
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik4/2006-04-11/2006041107_02_0.html


ペルー:大統領選2位争い、元大統領が浮上
http://www.mainichi-msn.co.jp/kokusai/america/news/20060412k0000m030105000c.html